愛しさに負けた
全てを失うことなんて怖くないと思っていた。 私は毎日死ぬ。 毎日毎日新しい私になる。 私は何も持たない、私は何も背負わない、私は何も―… 軽々として自由過ぎる私、私は今日も無茶苦茶に生きて、無茶苦茶に眠る。 眠れば次の日はまたまっさらな私になって、私は無茶苦茶に生きる。 綺麗に生きる必要なんてない、美しく跡を残す必要もない。 私の記憶は24時間しか持たない、私は一日ごとに生まれ変わる。ああだから、何も持っていないと思っていたのに。 それなのに、あなたに出逢ってしまった。 次の日も、次の日も、毎日あなたは私の前に現れた。 その度に私は毎日あなたに恋をして、あなたばかりを見つめる。 自分の名前すら覚えられないのに、どうしてだろう、どうしていつもあなたばかりを好きになってしまうの。 ねぇ分かんないでしょう、毎日恋する辛さ、苦しさを。 そりゃあ私、記憶は一日しか持たないけど、でも、心って、それとは違うんだって初めて気付いた。 心は覚えてる。 前もあなたに出逢ったこと、前もあなたを愛したことを、私の心は覚えてる。(喩え頭は記憶していなくとも) 私は生まれて初めて失うことを怖いと思った。 あなたに会えなくなるのを怖いと思った。 生まれて初めて、夜寝る前に祈った。 明日もあなたに出逢えますように。 心が、そう、祈った。 他の何を失っても怖くない、でもあなただけは、あなただけは、失いたくない。 そう私は愛しさに負けたのだ。 ------------------------------------------------------------ リサイクル品です川´⊇`川 ド-デモイイヨ これ結構前に書いた文章なんですが相変わらず病んでますね。昔からですか。そうですか。 |