お仕事の邪魔です (しんばみちるver.) 「ちゃん、そこ、邪魔なんだけど」 「邪魔してるの!」 「…(困ったなあ)」 「邪魔してるのーっ!」 きーっと机の上でばたばた暴れるちゃんは今にも泣きそうな赤い顔をしていた。 そりゃそうだ。今日は早く帰って一緒にご飯を作ろうと約束していたのに、急に生徒会の仕事が入ってごめんまた今度、だなんて。 最近忙しくて全然一緒にいられなかったから、今日はやっと一緒にいられると思ったのに、それなのになあ。ああ、安形、恨むよ。 「道流のヴぁかー!ばーかばーかばーか!!」 「ごめんよ、」 名前を耳元でそっと囁く。するとはびくっとして俺を見る。耳が弱いことは知ってるからそれで止まると思ったんだけど、あははやばいねこれは。うん俺の理性の方が崩れそう。 よく見ればは俺の机の上に仰向けに寝そべり、眼には少し涙を浮かべ怒ったような顔で俺を見ている。ああそれは誘っていると見えないこともなくて、あっはっは!俺も一応男だからさぁ!!ああもうなんか俺の方が泣きそうなんだけど。 「…とりあえず、机から下りてくれる?」 よいしょとの脇の下に手を差し込み、机からどかそうとする(冷静になれ、冷静になれ、俺)と、はぎゅうと俺に抱きついてきた。 「道流」 「う、ん」 ぐりぐりとは俺の後頭部を撫でる。 「道流」 俺の名前を言いながらは決して俺に顔を見せようとしない。俺の髪の毛に何か透明な珠が落ちてくる。それが涙だと気づく前に、がより一層力を込めてきた。 「ごめんなさい」 もう帰るね、と最後まで俺に顔を見せずには言うと扉から出て行こうとした。 そんなの手を問答無用で掴んで、俺はもちろん、をもう一度抱きしめる。 「道流」 「、帰ろうか」 「え?」 「さぼっちゃおう」 「だ、だめ、だよ」 私のせいで道流に迷惑かけられないぃ、とはふにゃあと顔を歪めた。 うん、その顔反則だよね。危うく押し倒してしまうところだったじゃないか。 でもそれは家に帰ってのお楽しみにとっておくことにして、俺はにキスするだけで我慢することにした。 明日安形が何か言うかもしれないけれど、そんなことよりの方が一億倍も大事だ。 おしまい 「おい榛葉ー。昨日任せた仕事だけど、終わってねえだろ」 「え?終わったけど?」 「嘘つけ。てめぇ昨日と約束してたんだろ。どうせの可愛さに負けて昨日は仕事しないで帰ったんだろ」 「うん、まあ昨日は帰ったんだけどね。でもその夜が寝た隣で仕事全部終わらせたから」 「………………このすっとこどい」 「安形って頭いいけど意外と馬鹿だよね」 ------------------------------------------------------------------------------- あれ…ミッチー黒い…?安形が可哀そうだ。どうでもいいけど生徒会話三本の中で必ず安形が出ているんですがどういうことでしょう。私は安形好きなの…!?そっそんなことないもん!!(動揺) ミッチーはいちいち名前が打ちにくくて殺意が湧きました。道流ってもう辞書登録しちまったよ。榛葉も出ないんだよチクショー!! ああ…ミッチーが一番大人かもしれない…。名前をちゃんづけで呼んだり呼ばなかったりするのが好きです。 |