今日も本当に仲が良いことですわねえ、お二人とも、とわたくしが言うと、お二人は声を揃えて「どこがだ!」と叫びました。 まあ、元気なこと。 「今こいつと喧嘩中なのー!もう椿のばーか!ばかばかばかばかはげろしねそんでもってもう二度とあたしの前に現れんな!」 「最初に意味がわからないことを言ってきたのはだろう!?なぜボクのことをそんなにまで言う!この愚か者が!」 「だってー!椿最近生徒会ばっかで遊んでくんないー!つまんねぇー!!安形のヴァーカ!!」 「かっかっか。俺にまで矛先が向いたか。椿の仕事が多いのはしゃーねーよ。だって俺が押しつけてんだもん」 「安形死ねー!!!!!」 と、さんは安形会長に突進していきましたが、その首根っこをまるで猫さんのように掴まれて、ひょいと持ち上げられてしまいました 「にゃー!」 「はちっこくて可愛いなぁ。食べていいか?」 「ぎゃーす!!ふーっ!ふーっ!!」 と、まるで本当の猫さんのように毛を立てて(るみたいに)威嚇。まあ面白い。でも、そんな会長とさんの様子を見ていて面白くなさそうな顔が一つ。まあ、誰だかはすぐに分かりますわね。 「…会長」 「なんだ、椿」 「を、放して頂きたいのですが」 「おほっ、お前も言うようになったなぁ。会長に指図かよ」 「いいえ、これは忠告です。…そろそろが、」 「しゃーっ!!!!!」 「ひっかきますよ」 「痛ぇっ!おい!マジで痛ぇぞ!!」 「ちゃんの必殺爪とぎスラッシュ思い知れでしゅ」 くるりと安形会長の手から抜け出し、ふふんと偉そうにしているさんのまあかわいらしいこと。本当に、猫として我が家に飼っておきたいぐらいですね。おいくらでお家に来ていただけるのでしょうか。 「それにしてもさー、椿ちゃん、喧嘩の原因は何なの?生徒会のこと?」 榛葉先輩が髪の毛の手入れをしながら椿君に尋ねて来ました。隣でデージーちゃんが「ISDI!」(いいから仕事しろ、この駄目イケメンが!)と呟いています。 「…が、変なことを聞いてきたのです」 「うんうん」 「あのね、ミッチー。あたし、『生徒会とあたしと、どっちが大事ですか』って聞いたの。そしたら椿、『下らない』って言って鼻で笑うの!もー許せない。許せませんでしゅ。ミーマジで怒ったでしゅ」 「へー」 榛葉先輩は笑いを止めようとしているのですが、口角が上がっているのがばればれですわよ。まあ、お気持ちはわかりますけれど。 「榛葉先輩にまで迷惑かけるな、。そんな下らないこ」 「下らなくないもん!あたしにとっては、大事だもん!!だって、椿、椿、偉いし、責任感あるし、仕事好きだし、あたしなんて、その、仕事、に、もぉ」 あらあら、さん、涙が出そうですわよ。言っていて辛いお気持ちを思い出してしまったのですね。かわいそうに。デージーちゃんが「SKSM!」(死ねこの下まつ毛!)と呟きました。 「負けてんのか、な、ぁ…って…」 ぐす、えぐ、ふわぁ、とさんは涙を手で一生懸命拭きながら言います。けれど最後の方にはもうそれは涙で消えてしまって、ただぐすぐすと泣く声だけになってしまいました。 「かっかっか。おい、俺だったら仕事y」 「の方が、大事に決まってるだろう。愚か者が」 会長の言葉を強く遮って、椿君が言いました。さんが手を顔から離します。 「ふえ?」 「頼むからそんな可愛い顔でまっすぐボクを見つめてくるな。死にそうになるんだ。生徒会はボクに任された大事な仕事だ。だが、そんなものと、を比べれるわけがないだろう。答えなんて分かり切ってる。だから、下らない、と言ったのだ」 でも、と言って椿君はさんに目線を合わせます。背の小さいさんと、椿君の目線がぴったり合います。椿君は男の子の中ではあまり大きくない方だと思っていましたが、やっぱり、女の子のさんと並ぶと随分大きいのです。 「すまなかったな、。やっぱり、ちゃんと言葉で言わなければ分らないのだな。だから、ちゃんと言う。 ボクは、が好きだ。愛している。だから、生徒会と、だったら、、に決まってる。当たり前じゃないか」 愚か者が、そう言って椿君はさんの頭をくしゃりと撫でます。 それだけでさんの顔はくしゃあと歪んで、そのまま椿君の胸に飛び込んで行きました。 「椿ー!好き!好き!大好き!!」 「ボクもだ」 「一緒に帰ろ?」 「ああ」 「あれ椿ちゃん、仕事は?」 「もう終わらせました」 「いつの間に!」 「帰ります。それでは」 そう言って椿君は、さんの手を繋いで帰って行きました。 「嵐だね、あの二人」 「あーなんで椿なんだよーチクショー」 「会長よりは、椿の方がまともだと思う」 「デージーちゃん酷いなぁ」 「ISKD(いいから仕事しろ、この駄目男たちが)」 わたくしは、計算機をぼんやりと叩きながら、さっきの怒涛の二人を思い出していました。 一体いくら出せばさんがうちに来てくれるのだろう、と思ったことを思い出します。 大きな大きな金額を打ってみて、でもきっと、これじゃあ駄目ですわね、とその数字をゼロにしました。 きっとさんは椿君のいないところには行かないでしょうし、わたくしの家には椿君はいないのですから。 わたくしは最後に繋いでいた二人の手を打ち消すと、また、小さな数の計算を始めました。 金で買えないものは あるけど、 欲しくないから 別にいいんだ ----------------------------------------- 何このミモリンにぴったり過ぎるお題…!鼻血が出そうよ姉ちゃん!! ちなみに椿→←ちゃん←ミモリンな感じ。ツッコミ不可。 デージー書くのが大変楽しかったです。彼女は会長大嫌いだといいな☆ どうでもいいけど田仲さん「〜しゅ」使い過ぎ。ツバキン爆弾発言しすぎ。書いてるこっちが恥ずかしいわぁ!ヒロインの暴走に至っては田仲が実際にやったことあることが多数を占めているのでもう何も言えない。 お題はreplaさまから。 |